あみウイメンズクリニック(婦人科・不妊治療)
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子宮頸部異形成と子宮頸がん

子宮頸がんは数あるがんの中で最も予防および早期発見しやすいがんの一つとして知られています。 現在では子宮頸がんの発症にHPV(ヒトパピローマウイルス)が関与していることが明らかとなっていますが、このHPVに対するワクチンが国内で発売されたことにより、がんの予防が高い確率で可能となったこと、そして従来の細胞診によるがん検診に加え、HPVテスト(感染の有無を調べる)を併用することにより、これまでよりもさらに精度の高い検診が可能となったことが、子宮頸がんが予防と早期発見をしやすいがんである主な理由と言えるでしょう。

1.子宮頸がん発症のメカニズム

HPVが子宮頸部のS-C junction(扁平上皮―円柱上皮境界)に感染(主に性交による)し、基底細胞が変化して異常増殖を始めます。このときの子宮頸部細胞診では、正常からすこし変化した細胞が出現していることが確認できます。たとえば細胞の核の大きさが少しだけ大きいなどです。 このとき子宮頚部では扁平上皮の層構造に変化がでてきています。正常とも、癌とも言えない、扁平上皮の構造が形成されています。この状態を「子宮頸部異形成(dysplasia)」といいます。読んで字のごとく「子宮頸部に正常とは異なるものが形成されている」といった感じです。 HPVはからだの免疫反応や感染した上皮が自然に脱落することにより、多くの場合短期間からだに留まるにすぎませんが、稀に細胞の中に取り込まれてしまうことがあります(持続感染の成立)。このような場合、上皮の異型は軽度→中等度→高度異型へと変化し最終的には上皮内がん(CIS)、さらには浸潤がん(がんが上皮の境界を越えて拡がる)へと進んでいくものと考えられています。

2.細胞診の結果(パパニコロ分類)

I: 正常
II: おおむね正常(軽度の炎症など)
III: 細胞の異型を認める

IIIa  軽度〜中等度の異型
IIIb  高度の異型
IV: 悪性を疑う細胞を認める⇒上皮内がん(CIS:進行期0期)の疑い
V: 悪性を疑う細胞を認める⇒浸潤がん(進行期Ta期の疑い)

3.細胞診の結果別管理方法

IとII がんの疑いなし⇒定期検診でOK(1〜2年後に細胞診)
III 頸部組織診とまだ行っていなければHPVテスト

組織診が軽度異形成でHPV(−)
⇒異型細胞は正常化する可能性高い
3ヶ月後に細胞診再検査

組織診が軽度異形成でHPV(+)
⇒しばらく3ヶ月毎に細胞診
6ヶ月後にHPVテスト再検査(持続感染か否かの判定)

組織診が高度異形成
⇒細胞診と組織診による厳重な経過観察
もしくは円錐切除術(後述)
IV 頸部組織診 and/or 円錐切除術
V 頸部組織診、MRIによる進行期の推測、手術様式の検討

4.子宮頸部円錐切除術

円錐切除術は文字通り子宮頸部を円錐状に切除する術式で、これには厳密な病理診断と高度異型上皮および上皮内がん(場合によっては微小浸潤がん)の治療という2つの意味合いを有します。 かつては普通のメスを使った円錐切除術が主流でしたが、最近ではLEEP(リープ)という電気メスを使った円錐切除術が一般的になりつつあります。当院ではこのLEEPを使った日帰りの円錐切除術を静脈麻酔下に行っています。 LEEPによる円錐切除術の手術時間は5〜10分程度で、3時間ほどリカバリー室で休んでもらうと帰宅可能となります。術後の痛みもほとんどありません。

5.子宮頸部円錐切除術の利点、手術によって生じるリスク、あるいはデメリット

・利点

  1. 病変部を広範囲に切除するため、正確な病理診断が可能
    ⇒精密検査としての意味
  2. 病変が十分に取りきれた場合(これは術後病理診断により判明)治療となりえる。
    ⇒治療としての意味
  3. 多くの場合妊娠する能力を温存できる。
  4. 子宮全摘出術と比べからだの負担が少ない。
  5. 静脈麻酔下に、またLEEPを用いた手術では日帰りも可能。

・生じるリスク、デメリット

  1. 浸潤がんの場合十分な治療にはならず、根治手術が必要となる。
  2. 術後に創部から出血する場合がある。
  3. 子宮頸部が短縮することにより、その後の妊娠での流早産のリスクがやや高まる。頸管無力症のため頸管縫縮術が必要となることがある。

・術後の注意点

  1. シャワーや入浴は術翌日から可能です。
  2. 術後5日間は創部の消毒を行いますので毎日通院してください。
  3. 術後1週間は血液が混じった帯下、その後の2週間は水っぽい帯下が続きますが、傷が治る正常な経過なので心配はいりません。
  4. 創部が治癒(上皮化)するまで約1カ月から1ヶ月半かかります。この間は性交を控える必要があります。
  5. 病理検査の結果は約2週間後にお話しできます。

6.円錐切除術の結果(術後病理診断)別管理方針

軽度〜中等度異型で切除断端に異常を認めず
⇒円錐切除術により子宮頸部異形成は治癒したと考える。
 
軽度〜中等度異型で切除断端に異型を認める
⇒異型細胞が子宮側に残存する可能性あり⇒念のため3ヶ月毎の細胞診により治癒を確認する。(ただしLEEPによる円錐切除術の場合、最後に行う凝固止血処置により異型細胞およびHPVは死滅する可能性が高い)
 
高度異型〜上皮内がんで切除断端に異常を認めず
⇒円錐切除術により子宮頸部異形成または上皮内がんは治癒したと考える。
 
高度異型〜上皮内がんで切除断端に異常を認める
⇒異型細胞または上皮内がんが子宮側に残存する可能性あり⇒念のため3ヶ月毎の細胞診により治癒を確認する。(ただしLEEPによる円錐切除術の場合、最後に行う凝固止血処置により異型細胞または上皮内がんおよびHPVは死滅する可能性が高い)
 
微小浸潤がんで切除断端に異常を認めず
⇒円錐切除術により治癒した可能性が高いが念のため3ヶ月後に細胞診を行う。
 
微小浸潤がんで切除断端にがんを認める
⇒再円錐切除を行うか子宮全摘出術を行う。
 
    
 

 

 
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